【開催報告】学校だけじゃないーー子どもと大人がつくる学びの場@椙山女学園大学星が丘キャンパス
開催概要
イベントの趣旨
近年、オルタナティブスクールやフリースクール、地域に根ざした学びの場など、学校という制度にとどまらない多様な教育実践が広がりを見せています。こうした動きは、不登校支援にとどまらず、子どもの学びのあり方や、大人と子どもの関係を問い直す契機ともなっています。実際、オルタナティブスクールやフリースクールは「学校とは異なる学びの場」として多様な実践を展開してきました。
異なる立場から学びの場を実践・研究してきた3名を迎え、それぞれの視点から「学校だけではない学び」の可能性を検討しました。
当日の内容
不登校やフリースクールの定義が必ずしも一義的ではなく、どのように捉えるかによって、その実態や数の見え方も変わることが示されました。
また、学校制度への対抗的な学びの場として発展してきたフリースクールが、近年では「学びの保障」という観点から、多様な学びの場の一つとして制度的に位置づけられつつあることが説明されました。
天棚さんからは、学校という制度の大きさに揺れながらも、子どもが何を望み、何に苦しんでいるのかを受け止め、その育ちを支えようとしてきた経験が語られました。
その選択を実現するためには、保護者間の調整や仕事との両立など多くの困難があり、子どもだけでなく保護者を支える仕組みも必要であることが示されました。
また、プレーパークでは、異年齢の子どもたちが対等に関わり、自分たちで交渉しながら遊びや活動をつくる環境が、子どもの自律的な学びを支えていることが紹介されました。
白川さんからは、異なる背景やニーズをもつ子どもや保護者が集う日本語学校で、どのような学びの場をつくるかを調整していく難しさが語られました。
その一方で、学校の外側にあるからこそ、個々の子どもの成長を重視した学びや、地域とつながる柔軟な実践が可能になることも示されました。
日本語を学ぶ場にとどまらず、子どもや大人がつながり、居場所やコミュニティのハブとなる日本語学校の可能性が伝わる発表でした。
参加者から届いた声
■ アンケートの自由記述より- オルタナティブ教育を考える上でキーワードのひとつに「地域」だったかなと思うのですが、様々な境遇の人が地域に存在する中で、プレーパークや森のまち学校などで人が集まってきてくれるのは、多くの人が「それが必要」と思っているからだろうなと感じることができた。
- リアルな声、現場の様子を聞くことができて新たな視点を得られました。ありがとうございました。
- 外国につながる子供に対する日本語教育のお話が大変興味深かったです。今後、学習者の多様性(年齢も含め)、柔軟な対応が求められていると思います。お話の中で具体的な教育内容などうかがえてよかったです。
- それぞれのお立場からの知見・実践は、知らなかったことも多く、深く知っていこうと思うきっかけになりました。会場の皆さんからの質問・感想も深掘りできてよかったです。初めての参加でしたが、広く開かれた学びの場に参加できる機会が増えると嬉しいです。
- 不登校になって最終的に学校へ戻るという選択をしなくても、学校はいつでも帰ってこられる場所としてあるべきだなと感じました。地域の関わりが希薄化し、子供たちの居場所は少なくなってきていると思います。そんな中、不登校になった子供たちは自分だけ学校へ行っていないという罪悪感や将来についての漠然とした不安など様々な気持ちを抱えていると思います。そんな気持ちを吐き出して、少しでも楽になれるようにフリースクールや保健室など居場所づくりが大切なんだなと思いました。
今回のイベントから見えてきたこと
学校の外側にあるからこそ、プレーパークや日本語学校では、年齢や学年の区分を越えた関係や、子ども一人ひとりに応じた柔軟な学びをつくることができるということ。
こうした場は、学校とは異なる学びのあり方を示す「対抗実践」である一方、その運営には、人材や資金の確保、保護者や関係者の思いの調整など、多くの負担が伴うということ。
多様な学びの場が制度的に認められ、支援されることには大きな意義がある一方、制度化によって、それぞれの場がもつ自由さや固有の価値が失われないよう、注意深く考える必要があるということ。
学校の外側に生まれている多様な実践は、学校そのもののあり方を問い返しています。Sugiyamaジェンダーカフェでは、これからも、こうした現場の声に耳を傾けながら、学びの場の可能性を考えていきます。